About
ライブが進むにつれて、人間味がむき出しになっていく。その最初の衣装として、現実と非現実の境界に佇む「壊れたキューピッド」をイメージしました。まるで本当にここに存在しているのか分からないほど、神格化された存在として描いています。 一見すると「フィギュアのように可愛いあのちゃん」。しかし、ライブの中で溢れ出す、人としての湿度や脆さはとても美しい。骨が露わになった翼、歪んだ衣装、侵食していく錆、そして足元に配したバネは、「生きている人間ではない存在」であることを示しています。 「錆びる」という現象は、金属が本来の姿へと戻ろうとする自然なプロセスです。それは人間にとっての「涙」に近いものだと感じています。 社会の中で酸化されながらも、それでも自分のままでいようとすること。音楽や衣装が、その手助けとなる感覚。 「涙くん、今日もおはようっ」に救われた日を思い出しながら制作しました。
Background
ステージでの見え方、翼を背負った上でのパフォーマンスをする方法を、スタイリストの神田百実さんと話し合いを重ねました。 歪んだシルエットのパターン、作り物のような硬質さと艶を持つプリント、スパンコールによる錆の質感表現、そして一瞬で着脱可能な、圧倒的なスケールの翼。いずれも確かな技術を持つプロフェッショナルの力によって形になったものです。 また、あの翼でパフォーマンスすることは容易ではなく、本番直前まで試行錯誤を重ねていました。 anoさん自身は、最終形態での通しは一発本番だったにも関わらず、翼という制約を感じさせないステージを見せてくれました。

Staff Credit
Stylist : Momomi Kanda
Costume design : Fuka Otsuka(AMNI)
Pattern maker : Yuca Komine
Costume sewing : Ami Ooyama, Ririko Ishii, Emika Takano, Saki Harada, Miyuko Yamamoto
Wing structure support : Nobutaka Mukai(digs image)